基本分類 |
臨床医学情報 |
死亡状況調査(DSI) |
解剖検査所見 |
突然死の状態にて死亡した、
満2歳未満の乳幼児の基本的
分類 |
*明確な臨床医学情報
*その他の診断場参考となる
所見・情報等 |
死亡状況調査(DSI)
の調査結果 |
死亡検案所見・肉眼的解剖所
検として考慮すべき基本事項 |
顕微鏡的監察所見
として考慮すべき基本
事項 |
T.SIDS(乳幼児突然死症候群)
予期しない乳幼児の突然死で
あって頭部を含む全身の剖検
による詳細な検案によっても
突然死を説明できる所見を
特定し得なかった例 |
臨床的な確定診断に至るだけ
の検査所見・外表所検討等を
有さないもの、基本的には
CPAOPであり血液検査所見
では末血所見に異常なく、
生化学的検査にてCPAOA症例
としての所見を認める、口腔内
異常物等は認めず、気道確保、
挿管等が容易に行えるもので、
外表所見として重篤な
外傷を疑う所見を認めない。
(参考所見は診断の手引きを
参照)
CPAOA=cardio pulmonary
arrest on arrive
(到着時心肺停止状態)
|
*外因的要素があっても
死因とは無関係と判断
される場合
*明らかな疾病に罹患して
いた状況にないか、
罹患していても死亡に至る
病態ではなかった事が
明らかなもの
*心肺停止状態にて発見
された場合、直前健常
であった事を明確に示す
情報、検査所見等
(最終生存確認時の
理学所見等)を有するもの
なお、直前とは24時間
以内を指し、情報は死亡
推定時刻 により近い物を
採る |
脳を含む全身の詳細な解剖が
行われる事が必須である。
*特筆すべき所見を認めない
(全く異常がない)か、基本
的に生命に聞きを及ぼす
肉体的所見を認めない。但し
軽微な奇形(多指症、副脾等)
や治癒した治療痕等は問題と
しない。
*軽微な肉眼的所見を数個以内
程度に認めるが、死因とは
無関係と判断される場合
*急死の所見は認める |
肉眼的剖検後は組織
検査を行う事を原則
とする
*直接病因と言うよりは
病理的組織所見
*死因とはならない程度
の軽微な病理組織所見 |
USIDSの疑い
Ua:純粋なSIDSとするには
躊躇するものの、剖検診断上
SIDSを選択するのが適当と
考えられるもの
Ub:剖検は行なわれなかったが
臨床所見およびDSIにより
SIDSが強く疑われる症例
(暫定的分類)
|
Ua:
*無視できないが死因とまでは
採れないような病変が認めら
れる 場合(ex.限局的な
気管支炎、 小さなVSD等)
*死亡原因と言うよりは死後変化
もしくは治療の影響による変化
と考えられるもの
*急死の所見は認める |
死亡原因とならない疾病
/病態の組織所見
*各疾病に特有の病理
組織所見
(既存の基準所見を
参照)
・軽微な病理組織所見 |
Ub.剖検を行なわなかったがSIDSを強く疑うもの |
VSIDS以外の内因性急死および
既知の明らかな病死
診断された疾病の病態が突然死的
な死亡状況の死因として充分に
論理的説明の可能なもの |
種々の理学的・生化学的検査
所見として死因と判断すべき
原因疾患に合致するデータが
得られており生前の段階で死
亡してもおかしくない生理的
状態にあった事を示す医学的
証拠を有するもの(高熱、 衰
弱等) |
DSIにおいて明らかな
外的要因を認めないか、
明確に外因を否定する証拠
を有し、かつ、現病歴として
死因に該当する疾病への
罹患が明らかなもの |
*各疾病により特有の病理所見
(既存の基礎的所見参照)
*急死の所見が必ずしも揃わ
ない事も多い |
*各疾病に特有の病理
組織的所見(既存の
基準所見参照) |
W外因死
外因による急死
外傷・事故・窒息
溺水・脱水症・鬱熱・凍死
小児虐待
殺人・傷害致死
中毒 |
臨床所見として
明らかな窒息所見・大きな
外傷等を外表所見・X-P検査
所見等として認める場合
詳細は診断の手引きを参照 |
DSIにおいて死亡原因
としての外因の関与が
明らかなもの
詳細は診断の手引きを参照
|
死亡原因が充分な所見が認め
られるもの
(重症外傷、窒息要因、他詳細
は診断の手引きを参照) |
肉眼的所見を補完・肯定
する所見
(詳細は診断の手引きを
参照) |
X分類不能の乳児突然死
臨床・剖検所見いずれからも
確定診断に至らず、病死・外因死
の判断が出来ないもの |
基本的にT型と同じだが口腔
内異物の存在等、臨床所見的
にも外因の可能性が否定でき
ず、確定診断に至るだけの
所見を有さないもの |
DSIにおいて外因の関与が
疑われるもの、もしくは
関係者の話に種々の
矛盾点を認めるもの |
Xa *剖検所見として生命危機への関与度やDSIとの
整合性に疑問の感じられるもの
*剖検所見として外因関与もしくは外因死の可能性
が示唆されるもの
|
Xb *剖検を行なわず、もしくは不完全な剖検のため、
DSI・臨床所見からも死因を推定でいない場合 |